私のシネマワールド

映画の事を中心に、気の向くままに書いております。

マリッジ・ストーリー 観て良かったです~!

                          マリッジ・ストーリー

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離婚を決意した夫婦が、子供の親権や今後の生活を考え苦しみながらも、自分とも相手とも向き合い、結果を出すまでの日々を描く。

                 ストーリー

妻で女優のニコール(スカーレット・ヨハンソン)夫で監督権脚本家のチャーリー(アダム・ドライヴァー)は、共に理解しあい、一人息子を愛しながら家庭生活を築いてきたが、ニコールは舞台監督の夫が何をしても舞台優先で女優としての自分に理解がないこと、劇団員との浮気もあり、ついに離婚に踏みきります。

                お互いの長所
冒頭はお互いの長所と共に、日常のその時の様子が流れます。
夫は妻を
ニコールは気まずい場面でもよく相手を気遣える  人の話をよく聞く。
なぜか飲まない紅茶を入れる(笑)
 家族の髪を切る 息子とは本気で遊ぶ 負けず嫌い 
スターの道が開けそうになったのに、自分の舞台に出る為にニュヨークに来てくれた、勇気がある 一番好きな女優だ

妻は夫を
チャーリーの気
帳面さには助けられる  節約家  服のセンスが良くて恥ずかしくない 
他人から何を言われようとしたい事をする  映画でよく泣く  家事が上手 嫌になるほど子煩悩だがいいパパだと思う

他にも色々良い面を言ってた気がしますが、こんなにお互いのいいところ、チャーミングなところもわかってるのに離婚するの? とゆう気がしました。
正直、映画の出だしのこの部分が一番好きです。二人の事がよくわかり、笑ってしまうシーンも多いので~♪
これは実は離婚調停員に言われてお互いの長所を書いた手紙なんですね。
かっては愛し合った仲なのだから、長所を書く事で、また何か気持ちの変化や見直す事もできるかもしれないとゆう調停員の計らいでした。チャーリーの方は読む気満々でしたが、ニコールの方が音読するのを拒否し読み上げなかったんです。
もしこの時、お互いにこの手紙を音読し、それぞれの言葉を聞いたなら、何かが変わっていたかもしれないのに~ 勝手な想像ですが、そんな風にも思い残念でなりませんでした。

            やり手女性弁護士との出会い

本当はお互いに話し合いで今後の事を決めるはずだったのが、住む場所や子供の親権などでかみ合わず、ついにはお互いに弁護士を立てての争いになっていきました。
                         

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女性弁護士は、自分も離婚経験があるとゆうことで、少し気を許したニコールは、こうなったいきさつを話し始めます。
ニコールは舞台監督として才能豊かなチャリ―に惹かれ、すぐに結婚。LAから彼の活動の場であるューヨークに移り住み、息子ヘンリーを授かり幸せに暮らしてきました。
えっ? いいんじゃない~何かご不満でも? 自分も女優のキャリアを活かして夫の舞台にも出てるし。。。特に問題ないでしょ? そう思ってしまったのですが。。


最初は当時そこそこ知名度も人気もあった女優の自分見たさに舞台を見に来てくれた人達も、今は劇団の中の女優とゆうだけで、自分の名前さえ覚えていないのではとゆう寂しさ、それと反対に夫の劇団はどんどん知名度が上がり、ブロードウェイへの進出も。。。
あら~それもいい事なんじゃない? 最初は自分の名前で集客できて、結果夫の劇団が認められていくなんて~妻としたら普通なら喜ばしいことなのに。。。


そんな時、チャーリーと結婚するまでずっと暮らしていたLA(ロサンゼルス)からテレビの仕事のオファーをもらいます。 その事をチャーリーに話すと、からかわれて出演料を舞台にまわせと言われます。その時にもしチャーリーがハグして応援してくれたら、離婚にはならなかっただろうとゆうニコール
、、そして1度きりではありますが、舞台主任の女性との浮気も離婚のきっかけになったそうです。
確かにそれはまずいな~チャーリー 自分の為にこれから。。とゆう時にニューヨークに来てくれ、劇団の女優として頑張ってくれたのだから、今度は自分がニコールを応援してあげればいいのに。。

                感情の爆発
お互いに弁護士を立てた事で、話はややこしくなっていきます。
そして一番見てる方も心が痛んだのは、二人が今までにないほどエスカレートして、思いの丈を相手にぶつけたシーン、 大声で時に目に涙を浮かべて相手を批判するニコール 
壁を叩いて感情をぶつけるチャーリー  この映画の見せ場でもあります。
                          

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特にチャーリーは、ものすごい言葉を口にしてしまい、後で我に返り頭を抱えて泣き崩れるシーンは、こちらもつらいものがありました。 そしてニコールにあやまるのですが、「私も」と言いながら、彼の頭を優しく抱えて背中をさするシーンには胸が締め付けられました。
ひどい言葉を言われたのに、そんな態度をとれる優しいニコール。それが感情的になったうえでの言葉だとわかっているのですね。

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離婚はこうして相手も、そして自分をも傷つけてしまうのですね。

ひどい言葉を言って自己嫌悪になる事も珍しくないのかもしれません。それまでクールだった二人が感情を爆発させたシーン、壁を叩いて涙を流して、それでもどこかにお互いを思いやる気持ちが伝わるシーンでした。

そしてその予感通り、二人はその後離婚しますが、別れてからの方が良い関係のようです。 親権はお互いに持つ事になり、住まいはLAになりました。ここならニコールの実家もあるし安心ですね。二人は交代でヘンリーと過ごしています。 チャーリーが訪れると、ニコールの明るい母親は今でも変わらず大歓迎。昔から仲良しだった関係は変わりません。 ニコールはエミー賞候補に監督としてノミネートされるまでになりました。チャーリーは、それが女優としてではなく、監督としてとゆう事に驚いた様子。以前からニコールは監督業にも興味があったのです。やっと自分らしく生きる毎日を過ごせるようになった彼女は輝いています。
別れて強くなるのはどうやら女性のようで、チャーリーは、どことなく寂しそうな気もしました。

           

        大喧嘩以外に映画の中で印象に残ったシーン

二コールが劇団を退団した夜。芝居が終わり劇団員達と打ち上げをして二人は同じ家に戻りますが、そ帰りもガラガラの電車なのに、ニコールは座り、チャーリーは少し離れたドアの所に立っているのです。この場面は二人の心の距離に重なり印象的でした。

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  • そしてその後家で淡々と話をした後、ニコールは「おやすみ」とチャーリーに言うと、ベッドルームに向かうのですが、チャーリーに背中を向けた時にはもう泣いているのです。
    ベッドでも涙を流し続けるニコール。劇団から退団し、いよいよニューヨークを離れロサンゼルスでの仕事をします。 自分で決めた事とはいえ、チャーリーの元を去ると思うと別れが現実味をおびて寂しく悲しくなったのでしょうね。見てる方もつらかったです。

  • 女性弁護士の事務所で話をするシーン。
    初めて人に気持ちを伝えるからなのでしょうか? なぜだか落ち着きがないニコール。 話をしながら涙をぬぐったり、鼻をかんだり、
    リップをぬったり、お茶が出てくれば「このお茶美味しい」 クッキーが出てくれば、「このクッキ―美味しい」などと、よくしゃべります。 それに対しお茶に対しては「マヌカハニー入りよ」 クッキーに対しては「帰りに持って行って」などと、いちいち答える弁護士もおかしくて、笑えたシーンでした。

  • ラストの方のシーンで、ニコールの家を訪ねたチャーリーが、たまたま声が聞こえたので部屋を覗くと、息子のヘンリーが手紙を読んでいるのです。それは離婚調停員に言われて書いたものの、その時には音読しなかった、あの手紙でした。ベッドに腰掛け、チャーリーは息子に読み方などを教えながら、交代でその手紙を読む事になってしまいますが、自分の番が来た時沈黙してしまうシーンがありました。それまでは読んでいたのに、その時だけ。。それは口に出すと泣いていまいそうですぐには音読できなかったのです。
    頬が震えて我慢してるのがわかります。 ここの演技が凄いと思いました。
    息子も父親の顔を見て何かわかるものがあったのでしょうか? せかす事もなく、ただ顔を見ています。

    ついにチャーリーは、その言葉を音読しました。とても短い言葉なのですが、冒頭に流れた長所の中でも読まれていなかった部分なので、こちらもその時に初めて知り、一緒に感動してしまいました。 その様子をいつの間にか部屋の入口にたたずみ、ニコールが目に涙をためて見ていました。本当に印象的なシーン。
    だからあの時音読しておけば良かったのにな~(しつこく言いたい)


ラストはあえて言いませんが、ニコールのある行動から、二人の今後を想像できました。
幸せの考え方は人それぞれ。正解はありません。離婚は結婚以上のエネルギーを使うし、できればしないに越したことはありませんが、この二人の未来に幸あれと願い、また人生は思うようにはなりませんが、それでも愛すべきものだな~と感じました。
お二人の演技に引き込まれました。

                         

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2019年 Netflix (ネットフリックス)オリジナル作品ですが、映画館での上映もありました。
監督ノア・バームバック 
出演 スカ―レット・ヨハンソン   アダム・ドライバー

第76回ヴェネチア国際映画祭や 第44回トロント国際映画祭で大絶賛されました。

本年度アカデミー賞において作品賞、脚本賞、作曲賞のノミネート他、ニコール役のスカ―レット・ヨハンソンが主演女優賞、チャーリー役のアダム・ドライバーが主演男優賞にノミネートされました。  そして女性弁護士役を演じたローラ・ダーン助演女優賞を受賞!
それにふさわしい作品だったと思います。 機会がありましたら、ぜひごらんくださいね。