私のシネマワールド

映画の事を中心に、気の向くままに書いております。

はじまりのうた!音楽の楽しさを満喫!

 


              はじまりのうた
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「はじまりのうた」を見ました。 アカデミー歌曲賞を受賞した「ONCE ダブリンの街角で」のジョン・カーニー監督の作品です。主演は「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズのキーラ・ナイトレイ、 
他に「スポットライト 世紀のスクープ 」 「アベンジャズ」のマーク・ラファロ 
主人公の恋人役に「マルーン5」のボーカル、アダム・レヴィーンが出演しています。


冒頭はグレタ(キーラ・ナイトレイ)がギターを片手にライブハウスで自作の歌を披露するシーンからスタートします。

彼女の恋人デイヴ(アダム・レヴィーン)は、グレタと共作の曲が認められ映画の主題歌に採用された事で音楽会社と契約し、2人でニューヨークでの生活をスタートさせます。

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瞬く間にミュージシャンとしての名声を手にした彼は仕事で家を空けることも多くなり、すれ違いが影響したのか浮気が発覚します。 

失意のグレタは家を出旧友のミュージシャンの元へ 。。。
彼はそんな彼女を優しく迎え入れ、居候をさせてくれました。 なんていい人なんでしょう。                                                                                                            その友人に誘われて行ったお店で、これまたステージ上の彼に誘われ、渋々ながら歌ってるのが、冒頭のシーンです。恋人と別れ都会でひとりぽっち、その時のありのままの気持ちを表現したような歌でしたが、お客はいまひとつ盛り上がりに欠け、のっていないのがわかります。

そんな中、一人立ち上がり食い入るようにステージで歌う彼女を見ている男性がいました。
この男性こそが今はともかく(笑)  過去にはグラミー賞受賞の経歴もある音楽プロデューサーのダン(マーク・ラファロ)でした。 

彼もまたその日、失意のグレタに負けないくらい、ボロボロの状態でその店に飲みに来ていたのです。彼は妻が浮気した事で精神を病み、1年前に家を飛び出して、今はアパートて一人暮らし。時たま会う娘や妻ともぎくしゃくした関係。そこへもってきてその日ダンは意見の対立から会社を辞めてしまったのです。
そんな最悪の中で聴いたグレタの歌が、この男のプロデューサーとしての嗅覚を刺激したのです。

彼の頭の中では、勝手にアレンジが始まっていました。嬉しいことに映画では、彼の頭の中でのアレンジも見せてくれます。グレタの弾くギターだけではなく、ピアノが入り、ドラムが入り、チェロが入る、するとどうでしょう、まるで別の曲のようにリズミカルに心地良く心に響くのです。 アレンジの力って凄いなって思いました。

この時のまるで宝石でも見つけたかのようなダンの嬉しそうな表情が、なんともいえずチャーミング。
この子は才能がある、売れる、そう直感した彼は歌い終えたグレタに声をかけ、一緒にアルバムを作らないかと名刺を渡します。見たところ、ただの酔っ払いのホームレスくらいにしか見えない外見から、「本当にプロデューサーと?」と疑うグレタでしたが、彼のこれまでの経歴をネットで確認し、やがて二人はアルバムを作ると言う共通の目的に挑んでいきます。
                    
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ダンは辞めてきた会社にグレタを売り込みますが、デモテープのない曲は受け付けない、デモを見て判断すると言われ困ってしまいます。 彼らにはスタジオを借りたりミュージシャンを雇うお金もないのです。
それでもないならないなりの方法でと言うダンのアイディアで、全て自分達で作ることにしました。
腕は確か、すぐにお金を必要としない、でも退屈してる、そんなミュージシャン達をあっという間に集結させたのは、長年音楽業界で活躍してきたダンの力も大きいと思います。

そして小さな録音スタジオではなく、彼らはニューヨークの街中をスタジオに見立て、地下鉄のホームやビルの屋上や湖のボートの上などで録音しました。

街の自然な音を、飛び入りの子供達のコーラスを味方に、他にない彼らだけで作ったアルバムが出来上がりました。
  

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この録音シーンには、ダンの娘がギターで参加し、また音楽ジャーナリストの妻も来て、終わった後のパーティーではいつの間にか3人か久々に親子らしい姿を見せます。

3人で帰っていく姿を見ながらグレタの表情はちょっぴり寂しそうでした。

出来上がったアルバムは評価され、ダンは会社に戻れる事になり、グレタも会社と契約を結ぶ事ができることになりましたが、その収入の取り分が9対1と聞き、納得のできないグレタ。全てを自分達でやったのにおかしな話。
彼女は契約を断りインターネットで直接販売することにします。

それを相談して理解してくれたのがダン。

会社に戻れ会社側の人間になったのに、グレタをを説得することもなく一緒にパソコンのボタン押してしまいました。 会社側にはとぼけましたが最後には「クビだ」と言われてしまいました(笑)   ばれてんのね~(^_^;)

でも心配ご無用。きっと彼はグレタと組んで、ニューヨークで作ったのと同じようにあらゆる国、あらゆる場所をスタジオにアルバムを作り、自由な形で配信していくと思います。

何と言っても彼は優秀なプロデューサーですから〜♪

 

キーラ・ナイトレイのこういう役は初めて見ました。もちろん歌う姿も。。。

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甘いボイスの気負わない自然体の歌い方が、ちょっとノラ・ジョーンズのよう。

なかなかいい味出してたと思います。

彼女の恋人デイヴ役は人気バンド「マルーン5」のボーカル、アダム・レヴィーン

クラミー賞他、数々の賞を受賞して世界的な売り上げを記録しているバンドのボーカルだけに、圧巻の歌のうまさ。そしてカッコイイ〜!

                             

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彼の歌を映画の中で聴けただけでも儲け物って感じの方もいるかもしれませんね〜(笑)

二人は彼の浮気で別れましたが、その後彼女は別れた時の気持ち曲にして彼のスマホに送ります。
その曲を聴き、自分にとってどれほどグレタが大切な存在だったかを知るデイヴ。
それがきっかけで再び会うのですが、以前の関係に戻りたい彼と違い、グレタはもう前を見て自分の道を歩き始めていました。それじゃあせめて自分のライブに来て欲しいと誘われます。

その中で歌う曲の中にグレタが作った曲がありました。彼はこの曲がどんなにみんなから愛されているのか、会場でその目で見てほしいと言います。しかし聴いてみると自分が作曲したのはバラードのはずが、ポップスになっていて別の曲のようでした。グレタはありのままの曲でないと嫌と言い,去って行きます。
共に音楽を愛し曲を作り長い間恋人でもありましたが、やはり会社と契約するといかにして来てくれた人を盛り上げるかとゆうことも必要になってくるんですね。  それも当然ありで大切なこと。 どちらが正しいとは言えませんが、ありのままを音に乗せて伝えたいグレタとは、考え方が違ってしまったようです。

しかし、当日グレタは会場にいました。デイヴはこれは特別な曲と言い、作ったグレタのアレンジで歌い出します。それこそがグレタの望んだことでした。 彼はその気持ちを尊重し心を込めて歌います。
やはりプロだからうまいなぁ〜と、自分もライブを見ている感覚で聴き入ってしまいました。

                    

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観客はありのままの曲でも充分盛り上がっていました。それを見たグレタ目には涙が。。
彼が自分の気持ちを尊重してくれた事も嬉しかったのでしょうね。  とても良いシーンでした。

別れたけれども、これからもきっと彼とは音楽でつながっているのではないでしょうか。。。

 
そしてまた音楽を通して家族の再生を果たしたダン。奥様と仲良くベンチに座り同じ音楽を聴いているシーンがラストにあり、ほっとしました。 アパートを出て家族の元へと帰るようです。


この映画の中で一番好きなシーンは、グレタとダンが同じ曲を聴きながら夜の街を歩くシーンです。
時に体を揺らしながら、踊りながら、とても楽しそう〜♪  

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            ニュヨークの夜の街がとても素敵!                              

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音楽があるだけで世界が変わる。。。そんなふうに言うダンの気持ちがわかる気がしました。

 

その 音楽プロデューサーのダンを演じたマーク・ラファロ、この役がぴったり。

とても魅力を感じました。この方、以前見た「スポットライト世紀の真実」にも出てたんですが、あまり印象に残っていません。 でもこの作品での彼の事はきっと忘れないでしょう。
とてもチャーミングな愛すべき男性だと思いました。

さほど長い映画ではありません。気軽に見れて楽しめます。

音楽好きの方はぜひごらんくださいね。

「はじまりのうた」のジョン・カーニー監督のこの後の作品、「シング・ストリート未来への歌」も見ました。
記事がありますので、読んでいただけると幸いです。