私のシネマワールド

映画の事を中心に、気の向くままに書いております。

光をくれた人 切ないけど素敵な映画でした。


                     光をくれた人                                                
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(ストーリー)
心を閉ざし孤独だけを求め、オーストラリアの孤島で灯台守となったトム。しかし、美しく快活なイザベルが彼に再び生きる力を与えてくれた。彼らは結ばれ、孤島で幸福に暮らすが、度重なる流産はイザベルの心を傷つける。ある日、島にボートが流れ着く。乗っていたのは見知らぬ男の死体と泣き叫ぶ女の子の赤ん坊。赤ん坊を娘として育てたいと願うイザベル。それが過ちと知りつつ願いを受け入れるトム。4年後、愛らしく育った娘と幸せの絶頂にいた2人は、偶然にも娘の生みの母親ハナと出遇ってしまう―。
光をくれた人は、2016年のアメリカ合衆国・オーストラリア・ニュージーランドのドラマ映画。M・L・ステッドマンによる『海を照らす光』を原作とし、デレク・シアンフランスが監督・脚本を務めている。
  
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第1次世界大戦後のオーストラリア、 帰還兵士のトム・シェアボーン(マイケル・ファスベンダー)は戦争で心に傷を負い、 世をはかなんでいるようでした。そんな気持ちの表れなのでしょうか。。オーストラリアの本土から遠く離れた孤島ヤヌス・ロックに燈台守としての勤務を申し出ます。島への船が出るバルタジョウズ町で、トムは美しい女性イザベル(アリシア・ヴィキャンデル)と出会います。
3ヶ月後、正式採用の契約を結ぶためにバルタジョウズの町へ戻ったトムは、そこで再びイザベルと再会し、色々と話すうちに心の傷が癒えるのを感じました。島に戻ってからも手紙でイザベルと交流を深め、やがてプロポーズをします。イザベルの心も
同じでした。

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こうして二人は夫婦となり、幸せな毎日を過ごしますが、悲しい事に二度も流産をしてしまいます。 そんな時、島にボートが流れ着きます。
乗っていたのは、赤ん坊とすでに事切れた男性でした。
本土に報告しようとするトムに、イザベルは、お腹も空いて弱っているであろう赤ん坊を、まずは元気にしてからにしようと提案します。世話をするうち、赤ん坊を手放せなくなったイザベルは、この事は誰にもわからない、自分達の子として育てようと言い出しました。いけないと言いつつ、気持ちが揺れるトム。
ついにはルーシーととゆう名を付け、二人の子供として育てる事を決意します。

 
月日が流れ、洗礼式の為、久々にバルタジョウズに戻った夫婦は、教会でルーシーの洗礼式を行いました。 その後トムは、お墓の前で悲しみにくれる女性ハナ(レイチェル・ワイズ)を見かけます。
彼女は裕福な家の娘でしたが、周囲の反対を押し切って結婚したのは当時の敵国ドイツ出身のフランク(レオン・フォード)でした。 それでも娘のグレイスが生まれ、幸せに暮らしていたのですが、やはりフランクは何かとつらい目にあい、耐え切れなくなったのか、娘を連れてボートで海へ逃げたまま、消息を絶ってしまったのです。

トムはその娘グレイスこそが、今、自分達の育てているルーシーだと気がつきます。
罪悪感に駆られたトムは、妻のイザベルには内緒で、匿名の手紙をハナに出し、夫フランクの死とグレイスの無事を伝えます。ハナは警察に捜査願いを出しますが、その後も何の進展もありませんでした。
 
時は流れ、トムとイザベルは4歳になったルーシーと、ヤヌス島で幸せな毎日を過ごしていました。、

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ある日、バルタジョウズで行われたヤヌス島の灯台設置40周年記念式典の席で、イザベルもルーシー(グレイス)が、ハナの娘であることを知ってしまいます。
なぜなら食事の席でルーシーを抱えたイザベルと、ハナは顔を合わせ、ハナは、夫と赤ん坊の娘が船で消息を絶ったままで、もし生きていれば、ちょうどルーシーと同じくらいだということをイザベルに話したからです。イザベルはその言葉で動揺し、その子がルーシーだと悟り、またハナもルーシーを見て、気ずいたのでした。
 
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トムはハナに手紙を送ったことを正直に伝え、、それを聞いたイザベルは激怒します。 トムは、もうこれ以上嘘はつけないと、赤ちゃんが持っていたおもちゃをハナに送り、結局はそこから真実が暴かれ、やがてはヤヌス島に警察がやってきて、フランクの遺体が発見されると、トムとイザベルは連行されました。
 
 本当はイザベルの強い想いから、この事態を招いたのに、トムはこの事は自分がやった事だと、すべての責任を負い、何の言い訳もしませんでした。

イザベルは、ルーシーを実母ハナの元へと連れて行かれ失意の日々を過ごします。 しかしルーシーは、ハナにはなつかず、やっと娘が帰ってきたのに、母親イザベルの元に帰りたがる娘にハナは困り果てます。
二人の母親の、それぞれ心の痛みがわかり、切ないですね。
   
ハナの夫、フランクが発見した時に生きていたのか死んでいたのかを、警察がトムに確認すると、彼はすでに死んでいたと主張。イザベルに聞くようにと言いますが、今やトムが憎くてしかたのないイザベルは、証言もせず、トムからの手紙も読みませんでした。
 
そんなある日、今の環境になじめないルーシーjは、姿を消してしまいます。
街中の人が協力し探します。 あちこち探してやっと疲れ果て寝ているルーシーを発見しました。、ほっとすると共にハナは悩んだ末、ある決意をします。 それはトムがすべての罪をかぶり刑に服すなら、イザベルの元へルーシーを返すとゆう事でした。


驚くイザベル、その時になり、怒りで何も考えられなかった夫トムの事が頭をよぎり、封も開けてなかったトムからの手紙を読みます。 その手紙には、自分に対する溢れるばかりの想い、自分の人生に光を与えてくれたことへの感謝の言葉が書かれていました。涙するイザベルは、あわてて刑務所へと向かいますが、殺人罪に問われたトムは、別の場所に移送される為、すでにそこにはいませんでした。


トムが今まさに船が出ようとしている時に、イザベルが駆けつけます。そしてすでにフランクはボートが流れ着いた時には死んでいたこと、赤ん坊を育てようと言ったのは自分だと、全ての事を明らかにしたのでした。 それによって、、二人が罪に問われる事となり、ハナが断腸の想いで決断したルーシーを引き取る事も出来なくなりましたが、イザベルに迷いはありませんでした。。その話を聞いたハナは、トムとイザベルの減刑を求めました。
 
その後ハナはルーシーの名前をルーシー・グレイスとし、共に暮らすうち、彼女もハナに心を開いて、二人の距離は少しずつが縮まっていきました。

 時は流れ 一人で暮らすトムの元を、すっかり大人の女性になったルーシー・グレイスが訪れます。 彼女は可愛い赤ん坊の息子・クリストファーを連れていました。トムは彼女の成長した姿を見れた事に喜び、すでに亡くなったイザベルが、もしいつかイザベルが訪ねて来たら。。とトムに託したルーシー宛の手紙を渡します。その手紙には、実の親子にも劣らない、娘への溢れんばかりの愛が込められてていました。 読み終えた、ルーシー・グレイスは、また訪ねてもいいかと聞き、トムはもちろん大歓迎だと答えます。彼女が帰った後、トムは海に沈む夕日を見つめながら、島での懐かしいイザベルとの日々を思い出すのでした。
 
  感想      
最初に会った時から、二人はどこか心惹かれていたのではないでしょうか~
イザベルのトムを見る視線が、それを物語っていました。
寡黙でどこか心に傷を抱えているトムには、哀愁があり、それも魅力的。
一方のイザべラは、明るくて行動的で、見るからにチャーミング。愛さずにはいられないような女性です。そんな二人が恋に落ちるには、時間はかかりませんね。

お二人は、何とこの共演がきっかけで、結婚されました~おめでとうございます。
 
話を元に戻したいと思います~
イザベルは、一度流産したのだから、二度目は慎重に実家に戻っていればいいのに~と思ったのは私だけでしょうか~ いやいや、一度目からしてそうすべきだった気がします。 あの孤島で初めての出産を二人で迎えるとゆうのは、無謀過ぎる気がします。あの当時は家で医者に来てもらっての出産だったのかもしれませんが、それでも医者がいるとゆうのは心強いもの。イザベルは町の名士の娘ですから、経済的にも恵まれてたはず。なぜそうしなかったのかな~?トムは一人で灯台を守って来た男。出産の為なら、喜んで妻を本土に行かせてくれたと思うのですが~
その選択がなかったのかが残念!
 
その選択があり、無事に赤ちゃんが生まれてたら、流れ着いた赤ん坊をトムの言うように、きちんと本土に報告してた気がします。二度の流産でものすごい喪失感があった後に出会ってしまった赤ちゃん、、手放したくない気持ちもわかります。わかりますが、よく考えれば、何て身勝手な~とも思います。 夫と娘がどうなったのか、ずっと心配して過ごしてきたハナの気持ちは考えないのか? 自分が数日過ごしただけで可愛いくてたまらない赤ちゃん、その気持ちは優先しても、どこかにいる目の前の赤ん坊の母親の事は忘れてる、、小さな孫を愛してた祖父母もいるかもしれないのに。。。やはり、そこは共感できませんでした。
それとトム、この人も中途半端といえば、そうなんですよね(笑) そうしようと決めたのに、妻に内緒で実母に手紙を送ったりして。。最後まで隠し通せばいいものを~なんて、それもまずいですけどね(^_^;)

トムは元々、イザベルの考えには反対で、きちんと報告したかったのですから、目の前で本当の親を見てしまえば、心が揺らいでも当然ですよね。苦しんでいるハナに、せめて夫と娘の消息だけでも知らせて、苦しみから解放させてあげたいとゆう気持ちがあったのかもしれませんが、より困惑させてしまった気もしますね。
娘が生きているとわかった以上、探さずにはいられませんから~

ある意味、トム自身もずっと抱えてきた罪悪感から解放されたかったのかもしれません。そこがちょっと中途半端なような。。。もう少し先に勇気を出して、妻が反対しても報告しておけば良かったのに~ま、結果論ですが、そう思います。
 
イザベルを裏切ってしまった罪、自分が口をつぐんでさえいれば、三人の幸せな生活は続いていたのに。。戦争で傷ついた自分にもう一度光を与えてくれたイザベルなのに、、その人から大事な宝物を奪ってしまった。。。そんな気持ちからすべての罪を自分がかぶって刑に服そうと決めたのでしょう。 でも、実の親の存在を知った以上、黙ってそのまま生活を続けていても、トムの性格では、それまでのようにはいかなかったでしょう。常に罪悪感に見舞われ、精神的にどうにかなってしまってたかも。。。。
ハナはやはり親ですね。娘のグレイスが新しい環境になじめないとわかると、もしトムだけが刑に服し、イザベルが残れるなら、子供を返してもいいとまで言うことができるのですから…何より子供の事を考えられる人 そしてどうゆう形であれ、娘を育ててくれた二人への感謝も忘れてはいないと思います。それが二人への減刑を求めたとゆう事でわかりますね。
 
ハナに比べるとイザベルは、ルーシーへの愛は本物でも、スタートは自分本位の愛だった気がします。それでも最後の最後にトムの手紙で、正しい行動をとれたのが良かったです。トムが自分の事を光をくれた人と思ってくれたなら、自分にとっても彼は同じく幸せの光をくれた人、それにやっと気がついたのかもしれません。
二度の流産を経験した後、島に流れ着き、自分の元に来てくれた赤ん坊は、神様がくれた希望の光でしたが、光はそれだけではなく、トムからも大きく温かい光を受けていたんだと、わかったのではないでしょうか~ そしてきちんと報告していたなら、ハナは夫を亡くした後も、娘を希望の光として生きていけたはず。。その歳月を奪っていた事に。。
 
人は過ちを犯しますが、気が付いた時、どこからでも正しい道にも戻る事もできるのですね。その事は、きっと良い結果を招くと思います。
 
それぞれの気持ちがわかるだけに、切ない気持ちになりましたが、それでもラストは、良い余韻を残して幕を閉じたストーリーでした。
 とても素敵な映画だと思います~興味のある方は、ツタヤさんにレッツゴー!

実生活でも結婚された、お二人の幸せをお祈り致します~!

 (おまけの一言)
皆さん、台風は大丈夫でしたか? 今年は次から次へとやってきますね。
その影響で、台風が来るまではけっこう風が吹いて、涼しいのですが、通り過ぎると暑くなるので大変(-_-;)  気温の変化で体調を壊さないようにしてくださいね。