私のシネマワールド

映画の事を中心に、気の向くままに書いております。

アルプススタンドのはしの方  元気をもらえました~!

                       アルプススタンドのはしの方

                                                   

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第63回全国高等学校演劇大会で最優秀賞となる文部科学大臣賞を受賞し、全国の高校で上演され続けている兵庫県東播磨高校演劇部の名作戯曲を映画化した作品。

映画『アルプススタンドのはしの方』を観ました。
アルプススタンドとは阪神甲子園球場にある観客席のことで、内野スタンドと外野スタンドの間に位置しています。
ストーリーは、夏の甲子園の1回戦、アルプススタンドのすみの方で、母校の野球部の応援をする高校生達の会話劇です。
 
野球のルールも知らない演劇部の女子2人安田あすは(小野莉奈)と田宮ひかる(西本まりん)
彼女達に試合を見ながら野球のルールを教える元野球部員の男子、藤野富士夫(平井亜門)

その席から少し離れた所で試合を見ているのが、テストで常に1番をとってる帰宅部で成績優秀女子 宮下恵(中村守里

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アルプススタンドの中央でトランペットを吹いている女子が、吹奏楽部の部長 久住智香(黒木ひかり

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時折現れては、頑張れ~と声をからしてまで熱い声援をおくる熱血英語教師の厚木修平(目次立樹)                               

                           

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演劇部の田宮は自分がインフルエンザにかかったことで演劇の大会に出れなかった事を申し訳なく思っているようで、妙に安田に気を使っている様子。 病気だったのだから残念ではあっても、しょうがないと思ってる安田には、そんな気持ちが逆に負担になって、どこかかみ合わない空気が流れています。                         

        f:id:you1825m:20200828025251j:plain                                                                                                                                   藤野は自分が野球を止めたのは、エースの園田がいる限り出番がないと思ったからだと言います。しかし、同じく万年補欠選手の矢野は今も頑張っているとも言い、どこかで自分が野球部を止めた選択を無理に認めようとしている感じがします。
                                                     

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常に学年トップの成績をとっていた宮下は、学年一位の座を先のテストで吹奏楽部部長の久住智香に明け渡してしまい、おまけに自分が憧れているエースの園田と久住が付き合っている事を耳にし、ショックを受けます。

              宮下恵(中村守里)                                   久住智香(黒木ひかり)                            

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こうしてグランドの中だけでなく、アルプススタンドにいる彼や彼女達の心のうちも、映画の進行と共にわかってきます。
その面々が、それぞれの悩みや思いを胸に見守る中、そのもやもやした気持ちが切り替わるきっかけが、強豪チーム相手に園田がホームランを打たれ、8回裏の4-0になった場面です。
なんと万年補欠の矢野が選手交代で出場。送りバンドで4-2まで追い上げたのです。
その時の矢野の嬉しそうな様子を見て、みんなの中で何かが変わっていくのでした。
                       

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そして9回、ツーアウト満塁のチャンスを迎えバッターはまたもや矢野
はたして、どんな結末が待っているのか。。。。。

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ラストは詳しくは書かないでおきますが、とても清々しく後味が良い終わり方だでした。
後に社会人となった彼らが、野球の応援で再会し、それぞれの今の仕事や近況を報告するのも、また楽しいシーンでした。 ありがちな青春映画ではあるのですが、おもしろいのは野球の応援がストーリーを占めているにもかかわらず、一切リアルな野球のシーンがなく、 彼らの会話や視線、湧き上がる歓声や、 吹奏楽部の演奏 スタンドの観客の表情 そこから試合を想像するだけなのです。 これは新鮮な演出に感じました。 単に予算や日程の関係なのかもしれませんが~(笑) たぶん原作が舞台用の脚本だからだと思います。
出演者達はそれなりの演技力がいりますよね。 そのあたりは悩みを持つ高校生のキャラを自然に演じつつ、試合シーンを想像させるとゆう演技を気負う事なくこなしていたと思います。

アルプススタンドのはしの方、 藤野に「しょうがないって思って受け入れなきゃならない事ってあるよね」とか、喉を痛めてまで熱い応援をしてる厚木先生に「もう無理して声出したってしょうがないですって」と言ってた安田が、 そして園田に憧れつつも離れた場所で声も出さずに見ていただけの成績優秀で人付き合いが苦手な宮下が、 終盤に向かいどう変わっていくのか、機会があればぜひごらんください。


個人的には甲子園で撮影してないせいか、あの甲子園の 暑い雰囲気は出てなかった気もしますので、県予選の決勝でも良かったかな~?とゆう気もしました。 それでも75分の中で夏にぴったりのストーリーで、楽しませてもらえたので満足。 何かに向かって頑張るって、結果はどうあれ素敵だな~と久々に思い出させてもらいました。
はるか昔の青春時代を懐かしく振り返りつつ、 自分もけっこうしょうがないと言って、逃げてる事も多いな~と感じました(笑) 何だか少しはこの暑い最中でも、頑張れそうな元気をもらいました~♪  感想は色々かと思いますが、個人的には久々にいい気持ちで映画館を後にした作品で~す。

  
解説
 第63回全国高等学校演劇大会で最優秀賞に輝いた、兵庫県東播磨高等学校演劇部による戯曲が原作の青春ドラマ。野球を観戦している少年少女たちに交差する思いを、波乱に富んだ試合の展開と重ねて描く。監督は『性の劇薬』などの城定秀夫。『ういらぶ。』などの小野莉奈、『36.8°C サンジュウロクドハチブ』などの平井亜門、『そうして私たちはプールに金魚を、』などの西本まりんのほか、中村守里黒木ひかり、平井珠生、山川琉華らが出演する。
シネマトゥデイより