私のシネマワールド

映画の事を中心に、気の向くままに書いております。

トガニ 幼き瞳の告発  衝撃的でしたが観て良かったです。

                 トガニ 幼き瞳の告発
             原作 ベストセラー作家・孔枝泳コン・ジヨン)の小説
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この作品暗いです。 そして重い~(汗)
それでも観て良かったと、心から思えた作品でした。
 
韓国の聴覚障害者学校で実際に起きた、性的虐待事件。その映画化です。
 
主人公の美術教師、カン・イノ(コン・ユ)は、赴任してきた聴覚障害者学校で、異様な雰囲気を少しずつ感じ始めます。
教員が男子生徒を平然と殴りつける  夜中に女子のトイレから悲鳴が聞こえる・・
そして洗濯機に顔を突っ込まれてる女の子を目撃した時・・彼の不信感は膨れ上がります。
そしてついに知った驚愕の真実。 怖ろしい真実。
それはこの学校の校長はじめ、複数の教員、そして僚の指導員が、生徒を虐待をしているとゆう真実。
                         
                 予告編  (子役達の迫真の演技 ごらんください)      
 
        
口がきけないのをいい事に、思うがままに力のない子供を縛ったり、押さえつけたりして、悪さをする大人達
彼の怒りも頂点に達し、真実を話しに関係機関に行くのですが、いくら訴えても、管轄外だからと関わるのを拒む役所の人間。
それでもついには、マスコミが嗅ぎつけ、インタビューを申込んできます。
子供達の手話での話を、カン・イノ(コン・ユ)教師が聴き取り、言葉にし、その様子を録画。
ついにこの問題が、世に明らかにされる時がきます。
そして裁判へ・・・
 
                         
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ここから先も色々あるのですが、結論から言いますと、裁判に負けた形になりました。
味方だと思っていた検事が敵に買収されたのです。同じように少年の家族も買収され、控訴を取り下げます。
自分を虐待した先生を罰すると約束したのに。。と泣く少年。
彼は自分だけでなく、幼い弟までも獣の餌食にされたのです。
怒りがおさまらない少年は、自分を虐待した教師を刺し、一緒にそのまま電車に跳ねられ死んでしまいます。 汚い大人の為に尊い命が失われました。
少年の遺影を持ち、茫然とする教師。
やり場のない怒り、それは観てるこちらも同じでした。
 
けれども映画は終わっても、この話は現実へと続いたのです。
この映画公開後、韓国の人々の心に火をつけた怒りは、国をも動かし、法までもが設定されたのです。
 
1 事件が再検証され、障碍者女性や13歳未満の児童への性的虐待を厳罰化と公訴時効を廃
   止する法律、通称「トガニ法」が制定される。
 
2 加害者に対する再捜査が行なわれた結果、当初不起訴とされた加害者らは逮捕・起訴され
   そのうち1名については2013年に懲役8年・電子足輪装着10年、個人情報公開10年の
   刑が確定。
 
3  裁判後も運営されていた光州インファ学校は、映画公開後 2012年に廃校となる。
 
すごいですね。映画の力の凄さをまざまざと感じました。
作品を観てる時は、切なくて、悲しくて、怒りで震えるくらいでしたが、後でこの事を知り
国まで動かしたこの作品。。本当に観て良かったと心から思います。
 
子供達の心の傷は大きすぎます。決して許されない事です。そしてまだまだ他にもこんな事が行われてるかもしれません。  明るみに出たのは氷山の一角でしょう。
今後こんな事件が二度と起きない為にも この原作が映画化され良かったと思います!
 
軍隊で指揮官から昇級の贈り物としてもらった原作トガニを、ぜひ映画化したいと提案した、主演のコン・ユ そしてそれを実現させた監督はじめ関係者の方々 そして迫真の演技をした子役の皆さんに敬意を表したいと思います。
 
興味のある方は、ぜひレンタルしてごらんくださいね。  ツタヤにレッツ・ゴーですよ~!
 
 
蓮池薫さんによる日本語訳の本が2012年に新潮社から刊行されているそうです。。)
 
(おまけの一言)
こちら、今、ちょっと雨が降っております。
ふと思ったんですが、私、長靴持ってません。 いつからかな~?
最近はとってもおしゃれな長靴が出回ってますが、長靴履いて出かける時って相当な雨ですよね。
少しぐらいなら、普通の靴でも平気。
雨でもすぐ近くからバスに乗り、行く場所も屋内がほとんど ランチしたり、映画観たり。ほとんど濡れないもんね。 鎌倉散策とか、ハイキングなんて予定は、雨なら中止して行き場所を変えるし・・・
それで長靴がないのかもしれません。  雪国とか、お住まいの地域によっても違うでしょうけど、ちなみに皆さんは長靴持ってますか~?