私のシネマワールド

映画の事を中心に、気の向くままに書いております。

ツナグ 夢中で読めました~!

                       ツナグ          
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                     辻村深月著 (新潮文庫より刊行)
    第147回直木賞受賞作家辻村深月さん、このツナグで第32回吉川栄治文学新人賞受賞
 
先日、久々に本を読みました。映画化もされたツナグです。
友達が読み、「すごく良かったよ。涙が出ちゃった~返さなくていいから、読んでみて」と渡された本。
まあ、これが読み始めたら、おもしろくて、おもしろくて、本を閉じたくないほどで、家事の合間に、出かけた時の電車の中で、カフェでコーヒーを飲みながら。。あらゆる場所で読みあさりました。
一生に一度だけ死者との再会を叶えてくれるとゆう使者(ツナグ) 冒頭はそんな使者に会いに行く、ある女性の様子を描写しつつスタートします。
そして使者があまりにも普通の少年だった事への驚き、会ってさえもまだ信じられず、自分がこの少年に騙され
ているのではないか? 本当にこんな少年が死者と再会をさせてくれるのか? お金だけもぎとられるのではな
いか? そんな、半信半疑な揺れ動く気持ちがよく表現されていています。
そして例え騙されたとしてもいいからと決意し、依頼するOL
そしてそれを受けたツナグが彼女に告げたルールとは
お金はかからない。
依頼人の名前と会いたい理由を死者に伝えるが、それを受けるかどうかは死者の選択・・拒否もある
面談は死んだ者と生きた者、どちらにとっても一度きり。
なので死んだ者がすでに誰かに会っていればもう会えないし、依頼者でなく、もっと会いたい人を死者が待っている場合も,断わられるかもしれないそうです。
このあたりのルールも実に面白く、読み手としても、はたして相手がこの依頼を受けるのかどうかに興味がふくらみます。
そして実際に会うとゆう返事がきた後。。会いたいと願った死んだ者が待つホテルの部屋へと向かう依頼人の緊張は、まさに読んでる自分のドキドキ感と同化し、ドアを開ける瞬間にピークに・・・
 
突然死したアイドルが心の支えだったOL
かってツナグに依頼し、亡き夫と会った母親と、癌でその母親を失った不器用なその息子(長男)
仲良しの親友に抱いた嫉妬心と、彼女の事故死に秘密を抱える女子高生
突然失踪した謎の多い婚約者を待ち続ける男
この4人の依頼者のエピソードが書かれていますが、それぞれの話は違うので、区切りよく読む事ができました。
そしてもう一つ、少年がなぜ使者(ツナグ)になったのかも、書かれています。
この中で出てくる死者は、現実にいた時と変わらない姿、話もでき、触れた時の感覚もあります。
それだからでしょうか? 現実離れしたストーリーなのに、いつの間にかこんな事もあるんではなかろうか。。?
そんなふうに錯覚してしまいそうになりました。 巧みで、深い味わいのある文章に惹き込まれた1冊でした。
この本をくれた友人に感謝です。
見逃した映画はたいていは後からDVDをレンタルしたりするのですが、あまりにもこの本が良かったので、あえて今回は止めておこうと思います。本を読んだ私の中のイメージを大切にしようと思います。
この本には久々に読書意欲を掻き立てられました。この方の文体が、個人的にしっくりきます。
何とも言えない気持ち(切なく、悲しく、温かい)になる本でした。お勧めの1冊ですよ。興味のある方はぜひ!
 
(おまけの一言)
この記事を書きながら思いました。
私は祖母 母 伯母 義母 義父 主人 2匹のフェレット など、たくさんの別れを経験ましたが。。
使者(ツナグ)にお願いできるとしたら、一度だけ会えるチャンスをもらえるとしたら。。。
やっぱり主人に会いたいです~けっこう拒否されたりして(笑) でも選ぶなら彼しかいません。
ところで、あなたは使者(ツナグ)にお願いできたなら、誰に会いたいですか?
 
今月の10日はうちで飼ってた2匹のフェレットの弟分、リブが旅立った命日でした。
今年で確か4年たつんですね。 
リブちゃんの顔をちょっと見てもらおう~URL: http://blogs.yahoo.co.jp/cinema53laveyou/43432044.html