私のシネマワールド

映画の事を中心に、気の向くままに書いております。

それだけが僕の世界 感動しました~!

 

            それだけが僕の世界
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       wowowで、それだけが僕の世界を見ました。
       原題はKeys to the Heart  2018年の韓国映画です。

              (ストーリー)
ジョハ(イ・ビョンホン)は過去には東洋チャンピオンにまでなったボクサーですが、今はチラシ配りや、ボクシング選手の練習相手になり、何とか食いつないでいるありさま。
そんなジョハは偶然にも自分を捨てて出て行った母親インスク(ユン・ヨジョン)に再会します。それがきっかけで、母親に誘われるまま家に行くと、そこにはその存在さえ知らなかった弟のジンテ(パク・ジョンミン )がいました。
 
ジンテは、サヴァン症候群で他人とコミュニケーションを取ることが困難でしたが、母親が言うには音楽の才能があり、誰も教えていないのに一度聴いた曲はピアノで弾けてしまうと言います。
余裕のない暮らしぶりの中で、ピアノがあるのはその為なんだとわかります。
母親に一緒に暮らそうと誘われるままに暮らす事を決めたのは、住まいがあり食事にありつける、それだけでも助かる、そんな気持ちがプライドより勝ったからだと思います。こうして三人の生活が始まりました。 コミュニケーションをうまく取れない弟に苛立ちながらも、少しずつ三人は家族としての絆を育んでいきます。

              (キャスト)
主演 キム・ジョハ役  今や『G.I.ジョー』などでハリウッドでも活躍の場を広げてい                                                   るイ・ビョンホン
サヴァン症候群の弟 オ・ジンテ役  韓国で注目の演技派俳優パク・ジョンミン
母親ジュ・インスク役 韓国ドラマの母親役などでおなじみのベテラン女優
           ユン・ヨジョン
監督 脚本   チェ・ソンヒョン 監督デビュー作
    
 
                 (感想)
JSAや王になった男など、イ・ビョンホンの映画は何作か見ていますが、この「それだけが僕の世界」のイ・ビョンホンは、今まで見た事のない姿を見せてくれます。
キラースマイルのオーラをみじんも感じさせない、さえない中年の元ボクサー役を自然体で演じています。
父親の暴力に耐えきれず家を出た母親、おいてきぼりにされたジョハ、サバン症候群の弟、この三人の生活はどこにも明るい要素がないのにも関わらず、なぜか見ていて微笑ましい、そしてコミカルさすら感じます。ユニークなシーンもたくさんあるのがいいな~と思います。ジョハがゲームが上手い弟に勝ちたくて必死になりゲームのコントローラーを交換してくれと言ったり、お酒を飲んだ時に、母親から踊ろうと言われ、妙なブレイクダンスを披露したり~(笑) 今までにないお茶目な姿を見せてくれた、イ・ビョンホンです。

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髪型一つとって変わってますよね~見た目とかおかまいなし。
着てるのもいつもジャージ。見た目を気にする余裕もなく必死に生きてきたのでしょう。今だに恋人もなく独身。
不器用な彼がそれでも家族としての絆を深めていく姿に心が温かくなりました。
              
最初はジョハにも心の格闘があったと思います。孤独に生きてきたジョハにとって弟を溺愛する母親には心穏やかではいられなかったはず。
                  

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そして家にいる時は、部屋でピアノを弾くかゲームをしてるだけで、何を聞いても「は~い」としか言わない弟への苛立ち。それでも弟のピアノの才能に気ずく時が、やがてジョハにも訪ずれました。
 
それはジンテと一緒に街に出かけた時の事でした。いつの間にかはぐれてしまい、探し周るシーンがあるのですが、やっと見つけた時弟は、広場に置かれているピアノを弾いていました。周囲には人だかりが・・・みんなジンテのピアノに魅了されて聞き入っているのでした。その光景を見る何とも言えないジョハの表情。好きなシーンです。
別人のように活き活きと演奏する弟の姿に、母親の言っていた唯一弟の持つ才能をジョハが認めた瞬間だったと思います。

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ネタばれになりますので、あまり細かくは書きませんが、その後、色々な事があるのですが、やがてジンテは、その才能を活かせる機会を得ます。先に書いた広場でピアノを弾くシーンの他、何度か演奏するシーンがあるのですが、どれも素晴らしくこの映画のポイントになっています。そして圧巻のラスト! 素晴らしいです。情報によるとピアノのシーンはすべて本人が猛特訓して弾いているとか~びっくりです。
そういえば、吹き替えだと手のシーンだけだったり、演奏者の表情だけだったりしますが、これはすべて見せてました。素晴らしい役者魂! 彼の演技があってこその作品でもありますね。

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演奏シーンだけではなく、サヴァン症候群とゆうむずかしい役を表情やしゃべり方やしぐさでリアルに表現したその演技力もみごとでした。
今後大いに期待したい俳優さんです。
親の愛に飢えながら生きてきたジョハが、守るべき人達を得て、弟の手をしっかり握り歩き出すシーンは、彼らの未来を感じさせてくれました。
どんなに困難があろうとも、きっと乗り越えて行くだろうな~と思うラスト。
家族の再生と素晴らしい演奏シーン、笑って泣いて感動して、最後には温かい気持ちになれました。役者さん達、それぞれの演技が素晴らしいです。
劇場で見れずに残念でしたが、テレビでも見れて良かったです。おすすめですよ~!
機会がありましたら、ぜひDVDレンタルなどでごらんくださいね。
 
(おまけの一言)
皆様、ご無沙汰してしまい申し訳ありません。
何かと忙しくて、年末のご挨拶も新年のご挨拶もしないままに、1月も半ばを過ぎてしまいました。 遅くなりましたが、今年もよろしくお願い致します。
今年の目標は、もう少しまめに記事を投稿する事です。
2020年もよろしくお付き合いください。