私のシネマワールド

映画の事を中心に、気の向くままに書いております。

8番目の男 見応えありました。

 皆様 ご挨拶が遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。 2021年が皆様にとって幸多い一年になりますように!

今年初の映画レビューは、韓国映画8番目の男です。
2008年、一般の市民が陪審員として参加する国民参与裁判制度が韓国で導入され、史上初の裁判が開廷されました。 この裁判の行方と下された裁決を実話に基づいて映画化された作品です。
                                            8番目の男
      
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(ストーリー)
2008年国民参与裁判制度が韓国に導入され、年齢も職業も異なる8人の一般市民が陪審員として参加する、史上初の裁判が開かれることに。
彼らが扱うことになったのは、証拠や証言、自白も出そろった一見明白な殺人事件。
しかし、すったもんだの討論の末に下された裁決は、実に意外なものだった。この裁判劇の様子を実話に基づいて映画化。人気K-POPグループ〈ZE:A〉の一員パク・ヒョンシクが、8番目の陪審員役で映画主演デビュー。
冷静な女性裁判長を好演するのは、「オアシス」の名女優ムン・ソリ

                                                                                    (WOWOWより)

韓国で一般国民が参加する初めての裁判が開かれ、年齢も職業もバラバラな8人が陪審員に選ばれます。
扱う事件は被告人カン・ドゥシクの母親殺害容疑。 被告人は日頃から腰を痛め働けなくなった母親の給付金を巡って口論が絶えず、その日も口論の末に殺害し、その後団地のベランダから突き落としてそれを事故に見せかけたとゆう容疑がかかっていました。

弁護士の言う故意のものではない、誤って落ちた説は、ベランダの柵が高く、とうてい考えられません。
しかも目撃者がいて、凶器と思われるハンマーも見つかり、本人の自白もあり、証拠 証言 自白とすべて出揃ったこの事件。あとは懲役年数を決めるだけで、誰もがスムーズに事が運ぶと思っていました。

そんな矢先、8番目の陪審員のクォン・ナム(パク・ヒョンシク)はどこか有罪と思えず、それを口したことで、陪審員達の考えがまとまらなくなります。また被告人も容疑を否認したことで、裁判の行方が大きく変わっていきます。
被告人自信も階段で倒れているのを発見され病院に運ばれ、脳出血の手術をした3日後に自白したようで、本人も記憶がぼんやりして、ぬけてしまっている部分があったようなのです。

早く終わり帰れると思っていただけに、陪審員達のイライラがつのってきます。

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 その後6番目の陪審員が、仕事の経験上から判断するに、凶器の傷がハンマーだと思えないと言いだします。

そもそもドゥシクは義手なので、ハンマーを振り下ろせるのか?クォン・ナムが許可を得て検証してみます。

ドゥシクが振り下ろしたハンマーは、とんでもない方向に飛んでいき、裁判長に当たってしまいます。

義手ではうまくハンマーを扱えないようですが、本人がわざとそうした可能性もあります。

次に目撃者が突き落とす所を見たとゆう場所へ現場検証に出かけます。

目撃者の警備員は目も悪く、当日は雨だったそうですが、同じ条件の中マネキンを使った実験をしてみると、雨の中でもベランダははっきりと見えました。

見えたからこそ、警備員は駆けつけて亡くなった母親を発見したわけで、これまた無罪の証拠どころか、有罪の要素になってしまいました。

そうこうしているうちに、判決をくだす時間になりました。娘の供述書で母親からもらった義手を被告人が喜んでいたとゆう証言もあり、不仲説も微妙でしたが有罪をくつがえすような証拠にはならず、最初通り被告人は有罪となり、懲役25年の刑になります。陪審員達の中には納得できない者もいましたが、現場検証までしてやれる事はやったとゆう気持ちもあり、判を押します。そして最後に女性裁判長も判を押して、やっと長丁場になったこの裁判が終わろうとした時、またもやクォン・ナムがある重大な事に気がつきます。 それによりこの裁判の結末が大きな展開をみせます。

            

それまでも色々な事があり、女性裁判長ジュンギョム(ムン・ソリ)も100%クロとは言えない部分も感じていましたが、それでも陪審員達のハンマーでの検証や、目撃者と同じ場所からベランダを見上げての検証などを許可し、そのうえでの判決、量刑を出しただけに、新しい無罪となりえる証拠を突き付けられても、参考にはしてもそう簡単にはくつがえす事はできませんでした。国民参与裁判には、彼ら陪審員の結論は裁判所を拘束しないとゆう法があるのです。
しかし最後の最後に出した判決は何と無罪でした。 「疑わしきは被告人の利益に」という刑事訴訟法の言葉に従ったのでした。

以上、簡単にストーリーを書きました。 正直もし自分が陪審員になったなら、自分以外の人がみんな有罪で一致してる中、意義を唱える勇気があるかと考えてみましたが、 証拠 目撃者の証言 本人の自白が揃っている以上、たぶん迷いもせずに有罪と考える気がします。そんな中、この青年がよくぞ待ったをかけたものだと思います。素人目線での単純な疑惑が、後に裁判を覆す結果になるとは誰も思いもしなかったでしょう。最初は何を言い出すんだーと不満が態度に出ていた他の陪審員達も、そのうち少しずつ意見を言うようになり、クォン・ナムの疑問をやかてはみんなが考えるようになり、気持ちかまとまってきます。 そこがいいです。
無罪の判決を聞いた時は達成感があった事でしょうね。

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法廷劇ではありますが、深刻になり過ぎずコミカルな面もあり、飽きすに見る事ができました。
それにしても、いかに警察の捜査がずさんだったのかがわかりますね。本人が罪を認めてるから、間違いない、早く終わらせたいとゆう感じがありありと見えた事件です。被告人が階段に倒れていて、脳内出血で手術後、3日目の自白。まだぼんやりと、記憶がとんでそうな時に無理に自白させたんじゃないかなーなどと、勘ぐってしまいますね。

警察よりも弁護士よりも、彼らは仕事をしたと思います。

陪審員は人の一生を左右する事に関わるわけですから、真摯に向き合い考えなければならないと、心から思える作品でした。