私のシネマワールド

映画の事を中心に、気の向くままに書いております。

万引き家族  色々と考えさせられる作品でした~!


                  万引き家族       

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高層マンションの谷間、今にも壊れそうな平屋に治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。冬のある日、近隣の団地のベランダで震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが明らかになっていく
(キャスト
柴田治(リリー・フランキー)、柴田信代(安藤サクラ)、柴田亜紀 (松岡茉優)、柴田祥太 (城桧吏)、ゆり(佐々木みゆ)、4番さん(池松壮亮)、柴田譲(緒形直人)、柴田葉子(森口瑤子)、川戸頼次(柄本明)、柴田初枝(樹木希林)


万引き家族を観ました~だいぶ前に観たのですが、忙しくて記事が今頃になってしまいました~(^_^;)

治と祥太が万引きの帰りに、部屋の外に出され震えていたゆり(本当はじゅり)を不憫に思い連れ帰った事がきっかけで、後にこの家族の秘密が明かになっていきます。 いくら万引きをしてるとはいえ、子供まで万引きするとは~(^_^;) な~んてもちろん、そんなつもりはなく、寒空に部屋の外に放り出されてる幼い少女をほおっておけなかっただけなのですが、返しに行った時に聞こえてきた夫婦喧嘩の声、「産みたくて生んだわけじゃない」、とゆう母親の言葉で、柴田家の家族は自分達で育てる事を決意するのでした


少女の体には傷があり、虐待を受けていたこともわかります。家族は祥太の妹として受け入れ、6人家族としての生活が始まります。古く汚い家ですが、みんな温かくそれなりに楽しく暮らすうち、少女も心を開いて、祥太を兄のように慕うようになります。そんなゆりに、「いつか万引きを教えてやる」とゆう祥太でした。 


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ゆりを迎えて落ちいついた頃、児童相談所が警察に通報し、ゆりの両親が事情聴取されます。
それをテレビの見た家族は、ゆりの本当の名前が「じゅりだ」と知りました。信代はじゅりの存在がばれないように、髪を切って「りん」に改名します。りん本人もここにいることを選びました。

ある日祥太は、いつも万引きしている駄菓子屋の店主に呼び止められ「妹にはさせるなよ」とお菓子を渡されます。その日から祥太は、今までのように平気に万引きができなくなりました。 一家は海に行って、遊んだり、花火を眺めたり、楽しく過ごします。

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海へ行った翌日、初枝が亡くなります。
初枝の年金なくしては、一家の暮らしは成り立ちません。 それに初枝は一人暮らしとなっています。 葬儀をできるはずもなく、床下に初枝を埋める治でした。

ある日祥汰は万引きをしに行った店で、待たせておいたりんが万引きをしそうになるのを見て、自分がおとりになり盗みをして逃げ出します。後を追ってきた店員達に追い詰められ、けっこうな高さの所から飛び降り骨折して病院へ。。そのまま入院 
当然の流れで警察は親の治にも事情を聞きます。まさかその親が万引きを教えたとは~(^_^;)  嘘がばれる前にとうまく病院をを抜け出した治と信代は亜紀とリンを連れて夜逃げしようとした矢先、警察に捕まります。そして取り調べされるうちに、色々な事が明らかになっていきます。

まずは、この家族は何の血のつながりもない疑似家族でした。治と信代には、正当防衛とはいえ信代の前夫を刺殺後、土に埋めた前科がありました。。祥太も実子ではなく、りんと同じように拾った子供でした。亜紀は初枝の夫の再婚相手の孫でした。 初枝は亜紀の両親から毎月お金をもらっていました。 子供の誘拐、年金欲しさの初枝の死体遺棄 それらのすべての罪を信代は一人でかぶり、刑を受けます。祥太は児童施設へ、りんは本当の家族の元へと戻ることになりました。

信代は希望して祥太に面会に来てもらい、彼を見つけた場所や、車種などを教えます。探そうと思えば探せると伝えておきたかったようです。

その夜祥太は治のアパートに泊まると言い、ひとつの布団で寝ました。自分を置いて逃げようとしていたと聞いていた祥太は、その事を尋ねました。治はそれを認めたうえで、「父ちゃん、おじさんに戻るよ」と伝えますが、翌朝祥太を乗せたバスが走り出すと、息子の名前を呼びながら必死でバスを追いかけるのでした。 一方家に戻されたりんは、またベランダにいて外を眺めていました


 


何とも表現しようのない切ないストーリーでした。
万引きとゆう犯罪を自分がするだけでなく、連れて来た子供達にまでさせるのが、どうしても共感できないところです。治は心優しい男性だとは思います。「コロッケ食べる?」と治に声をかけられた時、少女はどんな気持ちだったのでしょうか。。。
その後、見知らぬ治達についてきたくらいですから、治の声かけで、気持ちもお腹も満たされたのかもしれませんね。 それまで毎日のように部屋の外に出されていたのですから…
自分だったら、じゅりを見てもそこまで踏み込めない。でも踏み込めない事で、今の社会は子供が犠牲になってしまう現実もあります。 もしかしたらじゅりも、寒空に毎日のように外に出されてたら、体調不良で死んでしまってたかもしれません。 その時親は何とゆうのでしょうか。。。
イタズラばかりするので体罰で外に出してた。。そう涙ながらに言うのでしょうか~
そう思うと治のした事は、単純に悪とも思えない自分もいます。
行方不明になっても捜索願いも出さず、児童相談所が警察に通報しなければ、いないまま生活してても平気な親ですから。。。こんな所に置いておくよりよほどいい。。。みんなで少女を想い抱きしめる家族。。。こっちが本物。。そう思いたくもなります。でも万引きを教えるとゆう社会性のなさ、その中で成長してゆく怖さもあります。  だから色々と考えさせられる映画なんですね。

出番は少なかったですが、駄菓子屋の店主役の柄本明さん、とっても印象に残りました。
ある意味、キーマンですよね。この人が祥太にお菓子を渡し「妹にはさせるなよ」と言わなければ、子供ながらも持っていたであろう、祥太の中の正義感、モラル 罪悪感に影響を及ぼす事なく、平気で万引きを続けていたでしょうから。。。彼の中ではそれまで治以外の大人の男性との接触はなかっただけに、店主の言葉でふと芽生えたこれまでの万引きへの疑問が、大きく膨らんだのだと思います。彼は元々賢い子なのでしょう。施設に入り学校に通うようになった彼は、もはや以前の祥太とは違う雰囲気でした。車に置き去りにした両親を探すより、施設できちんと教育を受けた方が、彼には未来があるように思いました。  
じゅりは、どうなるのでしょう? 先はわかりませんが、例え血がつながっていなくても、治達と暮らした温かい家庭の思い出を、心の隅に記憶して成長していって欲しいな~と思います。
その記憶が、きっと力をくれる時が来ると思います。それまで無事に成長していってね。。そう思わずにはいられませんでした。

役者さん達の自然な演技に引き込まれましたが、自然なだけに少し言ってる言葉が聞きとりにくい部分がありました~(^_^;) 安藤サクラさん、存在感のある女優さんですね。皆さん言われてるように、あの泣く時の演技は胸に迫るものがありました。これからが楽しみです~♪

色々と考えさせられる深い映画。。。おもしろかったとか、感動したとか、私の中では、そんな単純な言葉では言えない作品です。 後味も良いわけではありませんが、観て良かったです。

友人二人と観ましたが、そのうちの一人は、めったに映画を観ないので、この作品は今一つだったようです(^_^;)   やっぱりもう少しハッピーエンド的な楽しい作品が良かったようです。わかる気もしますが、感想は人それぞれ。  興味のある方、映画館へレッツゴーですよ。

(おまけの一言)
お久しぶりです。気が付けば7月。早いですね。
ここ数日は暑い日が続き、苦手なエアコンも何度かつけてしまいました~!
あまり暑いと、何をするにも集中力が出ないので、しかたありませんね。
これからますます暑さも厳しくなりますので、熱中症にはくれぐれも気をつけてお過ごしくださいね。
だいぶ過ぎてしまいましたが、今月もよろしくお願い致します。
写真は先日息子一家と行った七夕の時に飾られてた竹細工のアートです。
こんな竹の灯もロマンチックな雰囲気で綺麗ですね。今はあちこちで七夕のイベントをやってますが、いつか仙台の七夕を見てみたいです~♪

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