私のシネマワールド

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オクトパスの神秘 海の賢者は語る 感動しました!

    オクトパスの神秘 海の賢者は語る
[オクトパスの神秘 海の賢者は語る]を見ました。
この作品は第93回米アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞しています。
                                            

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南アフリカの映像作家のクレイグ・フォスターは、長年の働きずくめの日々に心身共に疲れ果て、眠れない日が続き、カメラや編集機材を視野に入れたくないほど気持ちが追い込まれていました。そんな彼がこのままじゃダメだと思いたったのが、子供の頃過ごした海に潜ること。
そして、その海で1匹の雌のタコに出会い興味を持ちます。それがきっかけでこの作品ができたのです。 タコとの出会いから、信頼を得て、やがて触れ合う事が出来るようになるまで、様々な出来事や発見を交えながら、タコとの1年間にわたる交流を追った素晴らしいドキュメンタリー作品です。

皆さんはタコとゆうとどんなイメージーを持っていますか? 
私はコリコリ食感がたまらない食材。 漫画に出てくるようなユニークで可愛いキャラ。
足が8本 墨を吐く軟体動物 こんなイメージでしたが、この作品を見て、そのイメージが大きく変わりました。 タコは賢く、考えて行動ができる 警戒心もあるが好奇心も旺盛
信頼を得れば我々人間とも交流でき良い関係が築ける存在 それもまたタコなんですね。

1日目、フォスターは水温が低く、荒れ狂う波の海へと入って行きます。
何? こんなに荒れてるの? 危険でしょう。そう思わずにはいられないシーンでした。
けれど彼は作品の中で言っています。15分ほどすると不安が消え、魔法のような時間が訪れると。。。寒水の効果で頭が冴えわたり、全身が覚醒して、体が適応しどんどん楽になると。。
どんな感覚なんでしょうね。体験しようもありませんが、海の中のケルプ(巨大な海草)の森を自由に泳ぎ回る彼を見て、羨ましく思いました。

ここで彼は1匹のタコに出会います。彼のカメラに興味を示すものの、警戒心もあるタコ。
それでも毎日海に潜るうちに信頼を得たようで、一緒に側で泳ぐようになります。

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そして初めて彼の腕に、まるでコミニュケーションをとるかのごとく、その吸盤のついた足を絡ませて来た時は、感動しちゃって泣きそうでした(笑) 

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なんでしょう。今の世の中の状況のせいなのか、単に年をとったせいなのか(笑)

こうゆうシーンは今までよりぐっと胸に響きます。まるでペットのように彼の胸に抱きついて、可愛いったらありゃしません。 

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こんな風に人とタコが種を超えて交流できる姿を見たのは初めてで、タコとゆう生物の新たな面を知ることができただけでも、見た価値がありました。

詳しくは書きませんが、その後このケルプの森で色々な出来事があります。
恐ろしいサメにもいつ襲われるかわからないし、また自分も生きる為の食べ物を必要とします。そんなタコの毎日を彼のカメラはしっかりと映し出していて、そうゆうシーンで彼女(タコ)の頭の良さが浮き彫りになります。ちゃんと考えて敵から身を守ります。
その一つがこんなシーン

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美しい貝殻、その他を吸盤で身にまとい、しっかりと体をガードするのです。
まだまだ他にも驚くべき方法で、敵から身を守ります。
フォスターは、このタコの事を彼女と映画の中で呼んでいます。いつも気になり彼女の事を考えていると。。。まさにこの1年は彼は彼女に恋していたのかもしれません。
そしてあの追い詰められていた気持ちから、いつの間にか解放され自分を取り戻したのです。
この地球上のすべての命あるものに対しての愛しさを胸に、彼は今仲間や息子さんと共に、このケルプの森を永続的に守る活動をされてるようです。

そんなに長い映画ではありません。
何かと考える事が多い毎日ですが、ちょっぴり海の中に入った気分で、機会があれば、ぜひごらんくださいね。彼のように頭がクリアになるかもしれません(笑)

 

 Netflixで2020年9月7日から配信。2020年製作/85分/南アフリカ