私のシネマワールド

映画の事を中心に、気の向くままに書いております。

ドライブ・マイ・カー🚘 鑑賞!

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(ストーリー)              

俳優であり、演出家の家福悠介。彼は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう――。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさきだった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく。
   yahoo映画より


長時間の作品でしたが、そんなに長く感じずに観る事ができました。
妻を突然失い、喪失感を抱えて生きてきた家福。2年後に演劇祭の演出で広島に行った際、その滞在中の専属ドライバーになったのが、渡利みさき。

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彼女は寡黙で、よけいな話や質問をせず、ドライバーとしての腕も確かだったので、演劇の台詞を流しながら仕事に集中できる車中は、彼にとって居心地の良い場所となっていきます。
やがて少しずつ会話を重ねながら、心に闇を抱えて生きてきた二人が、心を通わせ、自分の気持ちを初めて解放するまでを、丁重に描いています。

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大きな展開があるわけでなく、淡々と現在や過去を交えた映像で物語は進んで行くのですが絶対に退屈しそうだな〜と思いつつ、そうでもなかったのが不思議です(笑)

家福の妻、音がなぜあの様な事をしていたのかはわかりません。そこには遠い過去に夫婦に起きたある悲しい出来事が関係しているのかもしれませんし、あるいは元々そうゆう人だったのか。。。しかも自宅で この大胆さはどこから来るのでしょう。

その秘密をたまたま見てしまった家福の気持ちを思うと、何とも言いようがありませんね。
大きなショックだったと思いますし、人によってはその場でアウト。。むしろそうした方がスッキリした様にも思いますが、なぜかそっと立ち去ってしまった家福。
妻が話たいことがあると言った日、その話とは何だったのか。。。音が亡くなってもう永遠に聞けない話の内容は想像するしかありません。

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でも想像したところで、それが何になるのでしょう。あの時、こうしてたら、ああしていれば。。。 たら、ればを言ったところで時は戻りません。 辛くても故人の分まで自分の人生をしっかり生きて行って欲しいと思いましたし、家福とみさきが共に気持ちを解放し、雪の中で抱き合った時、きっと新しい何かが生まれたのではないかと思いました。それは映画の最後のみさきの表情からも、垣間見れた気がしました。

日本のみならず、韓国や台湾など他国の役者さん達の演技が良かったです。
岡田将生さんの、今回の役も魅力を感じました。身長にもルックスにも恵まれてるので、どんどん芝居の幅を広げて、世界に羽ばたいて欲しい気がします。
このシーンも、ちょっとした緊張感があり、良かったです。

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家福とみさきの会話、そして親子ほど年の離れた二人が、ある種の絆、しいて言えば人間としての絆で結ばれていき、ラストに気持ちを解放できたあのシーンは印象に残りました。それまで淡々とした二人が、感情をあらわに出した唯一の貴重なシーンでしたから〜!


ある種、これもロードムービーとも言えるのかもしれませんが、正直に言えば私は、グリーンブックのような海外のロードムービーの方が合ってます。軽快な音楽や行く先々での出来事や景色を楽しめる、わかりやすい内容。 
でもこの作品には、それとは違う魅力を感じました。
車中で流す戯曲の台詞、二人の淡々とした会話、舞台のオーディションや 練習シーン、様々な言語や手話を交えたチェーホフの演劇、何もかもが新鮮でした。
 
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観て良かったです。好みは分かれそうな気もしますが、世界から評価され、今や来月に控えた米アカデミーショーでも、外国語映画賞、監督賞 作品賞、脚色賞の合計4部門にノミネート。 機会がありましたら是非ごらんくださいね!
もうここまできたら、1つでも2つでもオスカーを手にして欲しいです。

(監督)濱口竜介  
(脚本)大江宗 濱口竜介 
(原作)村上春樹

家福悠介(西島秀俊
家服音(霧島れいか))
専属ドライバー渡利みさき(三浦透子
音に憧れる青年 高槻耕史(岡田将生

(おまけの一言)
この映画、またまた映画好きの次男が勧めてきたのですが、どうも気になったのが、この長さ。寒い時期にコーヒーでも飲んでから劇場に入りたくても、トイレが大丈夫か気になって飲み物も我慢して入りました(笑)おかげで心配する事もなく大丈夫でしたが〜
考えてみると、ずっとそんな事を忘れて鑑賞してた気がします。
それだけ集中できたとゆう事なのかもしれません。 皆さんもごらんになる時は、上映時間179分、約3時間の長い作品とゆうことをお忘れなく!(笑)