私のシネマワールド

映画の事を中心に、気の向くままに書いております。

太陽 は、僕の瞳  すばらしい作品です。見てね~!

                      
                    太陽 は、僕の瞳
 
モハマド(モフセン・ラマザーニ)は全寮制の盲学校に通う8歳の少年。
夏休み前の終業の日、父(ホセイン・マージドゥーブ)はなかなかモハマドを迎えに来ず、彼は悲しみに沈む。それでもやっと迎えに来た父と共に家族の待つ村へ帰る。
帰郷したモハマドは、妹が通う学校で授業を受け、祖母と語らい、楽しい時をすごす            
                
99年モントリオール国際映画祭グランプリ受賞作
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だが、父は障害を持った息子のために再婚話が進まないことに悩んだあげく
モハマドを無理やり盲人の大工の元へ修業に出してしまう。孫を不憫に思う祖母は父に怒るが、その優しい祖母もほどなく亡くなる。
父の再婚話は結局流れ、彼はモハマドを迎えに来る。その帰り道、突然橋が壊れ、モハメッドは馬ごと川に落ちてしまう。なぜかすぐに身体が動かなかった父も、はっと我に返ったかのように、息子を助けに激流に飛び込む
ぐったりした息子を抱く父 やがてモハメドの手に光がさし、わずかに動く。

 

太陽は、僕の瞳。。私の中ではニューシネマパラダイスと共に、とても心に残ってる作品です。
目が見えないとゆうだけで、こんなにも父親から疎外される少年が、かわいそうでたまりませんでした。盲学校の終業の日に、なかなか迎えに来なかった事からも、すでに父親の少年に対する気持ちがわかってしまいました。彼は再婚を前に、相手に伝えていない、この息子の存在がうとましくなったのでしょう。
少年に愛情がないわけでもないのです。父親も気持ちの中での格闘はあったと思います。でも自分も幸せになりたい・・その時はその気持ちが強かったのでしょうね。 遠くの大工にあずけられた時、自分は盲目だから誰も愛してくれない…泣きながら言う少年の姿に、ウルウルしちゃいます。
それでも大工の所にあずけられるまで、モハメドは、二人の妹とおばあちゃんと、美しい田舎で楽しく暮らします。 目の見えない分、耳や触感ですべてを感じとりながら。。
勉強もでき、怪我した小鳥も助ける優しい少年。
二人の妹も、すごく可愛いです。まだ小さいのに、完全に顔ができあがってます(笑) イランの子って彫りが深くて、この年でこの美貌。。大人になったらどんだけ~?。。みたいな美しさでした~(あ~羨ましい)
それと、少年の心優しいおばあちゃん。このおばあちゃんの存在が、素晴らしい味をだしてて、私はこの作品だけで、大ファンになっちゃいましたよ~
おばあちゃんなのに、すごく可愛い声なんです
本当にチャーミングなおばあちゃんでした。
おばあちゃんは、少年にとっては、心の支え、母親のような存在だったのに、父親に遠くにやられた少年をつれもどす為、家を出て、雨に濡れて病気になり、亡くなってしまうんです。全くもってやりきれません。
結局はその後、彼は再婚話が流れ、息子をあずけた大工の所に迎えに行くんです。今さらかよ~って自分本位の父親に文句が言いたい気持ちでした。
連れて行ったり、迎に行ったり、どれだけ少年の心を傷つけるんでしょう。
その父親と村に帰る途中、橋が壊れ少年は川に落ちて流され、死んでしまいます(実はここの判断は微妙なのですが。。)
何ともせつないラスト・・でも父親が激流に助けに飛び込み、少年の亡骸を抱いて泣いているのを見た時、憎らしいと思ってた心が少し和らぎました。
父親もまた、哀れな存在である。。そう思えました。
彼は、息子の亡骸を抱いて、初めて大事なものが何かを、わかったのではないでしょうか?
そのラストのシーンなんですが、少年の手に光がさし、わずかに動いたように見えます。少年はかって先生に「目が見えなくても、神様には触れる事ができる」と言われ、それからずっと神様に手を伸ばしてると言っていました。
少年の手がわずかに動いたのは、天国で神様に触れたからでしょうか?
それとも、命があったからでしょうか? このラストシーンの受け止め方は、見る人によってさまざまだと思います。
神様が純粋で優しい心を持ったこの少年を、見捨てはしないだろう。。
もう一度生きるチャンスを。。そして何が自分にとって大切であるか知ったであろう父親と、今度こそ心を通わせながら生きていってほしい・・・
そう思ったのは、私だけでしょうか?  いえいえ、きっとそうなる。
おばあちゃんが魚を水の少ない所から、多い所に放してあげて、助けたシーンがありましたが、私にはなぜか意味のあるシーンに思えてなりませんでした。一匹の魚の命が、少年の命になった。。神様がおばあちゃんのその行為に感動して、少年をよみがえらせてくれたのでは。。? 私はそう信じたいです。
 
みんな必死に生きてるのに、なぜこうなるのか? とてもせつない内容でした
でも、多くの事を考えさせられた、素晴らしい作品でもありました。
私達は目が見えて当たり前だと思ってますが、この映画を見ると、改めてこの世界の美しい色や愛する人の姿を見れることに、感謝したくなります。
そしてそのことに甘んじず、少年のように心で何かを見ることも忘れてはいけませんね。  この映画に出合えて良かったです。
 
主役の少年は本当に盲目なので、リアルにすべてが伝わってきます。
本当に演技してるのかな~と思うくらいです。
川に流されるシーンなんて、どうやって撮ったんでしょう。迫力ありました。
イラン映画もなかなかです。「運動靴と赤い金魚」のM・マジディ監督による感動作 99年モントリオール国際映画祭グランプリ受賞作です。
おすすめですよ~  興味のある方、レンタルしてみてくださいね